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早速作業を再開した彼女が、
ちらりとこちらに目をやる。
彼女に見とれていた私は
あわてて目を逸らし、
手元に視線を落とした。
――仕事多めに渡したの、
ばれたかな。
「彩加ちゃん。
……ちょっと、変なこと
聞いてもいい?」
「ん、なに」
――よかった。ばれてないみたい。
しめしめ、と内心ずるがしこい
笑いを浮かべていると、
「田辺くんのこと……。
好きだったりする?」
「――」
私は両目をかっと見開き、
勢いよく立ち上がった。
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