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なるほど。 その気持ちは、 ものすごく分かる。 私は再びミシンを動かし始めた。 田辺が『恋パラ』担当になってから、 水曜日が楽しみだった。 爆笑しながら、時には じんわり涙ぐみながら、 クラスの皆で一緒に 田辺のトークを聞いた。 豪快な見た目からは 想像もつかないほど、 田辺は人の気持ちを分かっている。 それがみんなに伝わるから、 男子からも女子からも、 愛される存在なのだと思う。 ……でも……。 そんな田辺の良さを 知っているのが、 自分だけじゃなかった事を 改めて思い知らされると、 なんだか……。 これって……ヤキモチ? 「……」 私はぶんぶんと顔を左右に振った。 ――ヴァサカ!!!! ――断じて、違う!
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