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お……。   お前、って。 思考を停止したまま、 ぱちくりと目を瞬く。 ”お前さん”なんて、 このクラスにいない……よね。 隣のクラス? お前……。 ……って、誰? まさか……。 ――わたし? 「すいません、あのそれ…… どういう意味?」 「どういうって…… ほかにどんな意味があるんだよ」 田辺はこちらを見ずに 作業を再開した。 「だからさ、 ――佐伯の事、応援するとか もう言わないで。……わかった? そのたんびに ショック受けるからさ。俺。」 私は未だポカンとしたまま 田辺の背中を見つめていた。 「でも……」 何か言わなければと、言葉を探す。
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