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「―――」
少女が何か口を開いて振り向くやいなや、慶太は腹の底から叫び出しそうになった。
(な、なんだこの女……!のっぺらぼうなんてもんじゃない。ましてや美少女なんかじゃない。)
デコボコに殴られたような出来損ないの毒芽が生えまくった不作のじゃがいもみたいな顔貌、気持ち悪く丸まった猫背、なぜか口元に浮かべた薄ら笑い、三日月型に開いた細長い触手のようなぬめぬめした唇、から覗く細かい黄色い歯と獲物を物色する蛇のような舌と怪しく光る双眸……。
(リップ塗りすぎたかなあ……)
女は少し後悔した。
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