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指が、化け物の指が、触れたのだ。
いや、明らかに触れさせたのだ。
ねっとりと絡みつく蚯蚓のように、女は確かに慶太の指に触れた。それはあたかも呪いのようだった。
全身がゾクッとした。慶太は一刻も早く呪いから逃れようとボールを取り、逃げ腰になる。
だが、女の方が早かった。
なぜか今度は裾をつかんでいたのだ。ズボンの。
今度こそ本気で叫びかけたとき、女は前に倒れた――と同時に、彼女の重量と共に、慶太のユニフォームのズボンごとずり落ちた。
あたりには女子部員たちの悲鳴が響き渡っていた。
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