†はじめのチョコレート†

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「はい。とりあえずは……」 わたしがそういうと、慶太はくしゃっと笑って頭をかいた。 「さっきは大変だったんだ。君が倒れるから……」 慶太の言葉に、私は恥ずかしくなって謝った。 「いいよ。過ぎたことだし。俺も恥ずかしかったけど」 「……?」 顔を赤くして困っている慶太。その言葉の意味はよくわからなかったけど、照れる彼がとても可愛かった。 「それじゃあ、まだ試合あるから……いくね」 去っていこうとする彼の裾を私はとっさに掴んでいた。 少しぎょっとしたように振り返る彼。 「どうし……」 私はなぜかわからないけど自分の名前を教えていた。そして…… 「あなたは……なんていうの?」 「俺?俺は……慶太。倉橋慶太」 それが、彼との出会いだった。
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