～はじめのチョコレート～

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「慶太～お前進路どうすんの？」

勝哉(ショウヤ)が俺に聞いてきた。コイツとは中学からの付き合いだ。口は軽いが悪いやつじゃないし、付き合いやすい。早い話馬が合う。
言っちゃなんだが、女好きの遊び人だ。まあ、俺だって女の子は好きだけど……。

「ん？床屋つぐよ」
「マジか！やっぱ偉れえなお前！」

偉いというか、それ以外に夢もないし。

俺の家は床屋だ。母子家庭で母さんが床屋をやりながら俺を育ててくれたのだ。
父さんは……行方がわかっていない。