†はじめのチョコレート†

7/66
前へ
/68ページ
次へ
ペンを置いて、机においた腕のなかに顔を埋める。 俺が機嫌を損ねたと勘違いしたらしく勝哉が慌てるような声がしたが、俺は気にせず目を閉じた。 彼女が隣にいた。 春に別れた深咲(みさき)だ。 「私ね……好きな人が出来たの」 喧嘩ばかりだったある日、俺の部屋で、ふいに彼女がぽつりと言ったのだ。 俺は信じられなかった。 それきり、彼女は連絡も一切絶ち、俺も次第に気持ちが薄れていった。 だけど俺はまだ…――
/68ページ

最初のコメントを投稿しよう!

4人が本棚に入れています
本棚に追加