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「目、見て。真剣だから、俺」 ……あっ、近……だめ……っ、 気絶する……。 「せ、せんぱい、 ちょっと待ってください、 手……」 「あ……ごめん」 先輩は慌てて 私の肩から手を離した。 血圧がっ…… が、顔面に、圧が、 めちゃくちゃかかって、 息が吸えない。 眼球が圧迫されて、 目も見えないっ……。 「カナダに行ったら 会えなくなる、って思ったら…… 急に彩加ちゃんのこと、 意識しちゃって……。 昨日一緒に帰った時、 言おうと思ったんだけど ――どうしても、 言いだせなかったんだよね」 酸欠で遠のく意識の向こうで、 先輩が何かをしゃべってる。
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