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***** 夕飯を食べている間、 私は由紀也兄ちゃんと 全く目を合わせなかった。 「お、これおいしい!! なあ、彩加!!」 「……」 「なんていうのかな、この きゅうりの歯ごたえがぷりっと」 「……」 黙々とご飯を口に運び、 必死なご機嫌取りにも 一切反応しない。 「本当?嬉しいな。 じゃあ、ママの分もあげるわね」 母はこの空気に 気付いていないようで、 ニコニコ笑顔で兄ちゃんの皿に ポテトサラダを移し替えている。 「ごちそうさま」 わざと音を立てて立ち上がると、 由紀也兄ちゃんの体が 椅子からびくっと浮いた。 自分の食器を片付け、さ っさと階段を上がる。 そして15分後。 案の定、お兄ちゃんは わたしの部屋の扉をノックした。
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