159人が本棚に入れています
本棚に追加
「バカバカバカ、
お兄ちゃんのバカっ!」
「……」
「だから萌えッとすんなっ!!」
「――悪かったよ彩加。
……兄ちゃん心配でさ、お前のこと」
「うるさいっ、説得力ないっ!」
私は由紀也兄ちゃんの体を
何とか部屋の外へ押し出すと、
最後の切り札をぶつけた。
「今度何かあったら、
私も言いふらすよ」
「……な、……なにを」
ひるむお兄ちゃんに、
唇を思いきり捻じ曲げ、
言い放つ。
「――お兄ちゃんが運動会の時、
椎名萌の写真買ってたこと」
「……」
お兄ちゃんの顔が
真っ青に変色したのを確認し、
私はドアを思い切り閉めた。
そしてガチャリと鍵をかける。
――私を敵に回すと
こういうことになるのよ。
……わかった?
私はちょっとだけすっきりして、
仁王立ちのままくるりと踵を返した。
最初のコメントを投稿しよう!