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文化祭、初日。 私は鏡の前で、 この世のものとは思えない 自分の顔に愕然としていた。 「彩加……。 少し頑張り過ぎじゃない……?」 座敷わらし役のトモコが、 いつもよりやや距離を置いて 鏡越しに言った。 「……たーーなーーべーー」 鬼の形相で振り返ると、 田辺とヒロシが私の足元で 腹を抱えて笑い転げている。 「ぅおぃっ!! ひゃひゃひゃひゃ、 じゃないわよ!! どうしてくれんの、この顔!!!」 「俺が塗ってやるよ」と優しく言われ、 田辺にフェイス用のペイント剤を 渡したのが間違いだった。 口裂け女というよりは、 リアルオバケの○太郎風に 仕上がっている。
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