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「もうずいぶん前から
決まっていたんだけどね。
大学も向こうで
通うことが決まったし。
報告が遅れちゃって、
申し訳ないんだけど……」
「……いえ……」
私はまだ放心していた。
先輩が、いなくなる。
隣の家から先輩が……
消えてしまう。
世界の全てが、
ひっくり返ってしまうようだった。
「さみしがって、くれるんだ」
顔を上げると、先輩が
優しく微笑んでいた。
「……そりゃ……
もちろん……さみしいです……」
「ありがと」
先輩は、こちらに一歩、
足を踏み出した。
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