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マンションには15分程度で到着した。
タクシーを降り、まっすぐ自分の部屋へと向う。エレベーターの中で俺の様子を伺う熊谷に特に目を向けることはしなかった。
玄関の鍵を開け、扉を大きく開けて熊谷を先に入れる。自分もその後に続き、玄関の重い扉が閉じるのと同時に斜め後ろから熊谷を抱き寄せた。
ドサッと紙袋が床に落ちる音がした。
予測して無かったんだろう、あっさり俺の身体へと寄りかかる形になった熊谷の顎を強引に上げ、唇を落とす。
「ちょ、高峰さ・・・んん・・・!?」
熊谷の察するとおり、あまり機嫌が良くない俺は、噛み付くようなキスをして唇を離した。
「チッ、帯が邪魔だな。後ろから抱けねーじゃん」
帯の結び部分が猛烈に邪魔。おかげで熊谷の身体を後ろから抱けず、斜め後ろから抱く形になってる。
・・・いや、やっぱり着物っていいかも知れねーな。背後から熊谷の胸元へ左手をスルリと滑り込ませた。
「・・・・・・あっ、ちょ、ちょっと」
「そうか。着物の場合はノーブラなわけね。これは評価出来るな」
「ちょ、何いってんですか!胸掴まないで下さいよ!」
そんな熊谷の言葉を無視して、目に留まったうなじをベロリと舐めた。途端に小さく叫ぶような声と、身震いしたような熊谷の様子に笑いが出た。
「フハッ、いい声。んー・・・ちょっと気分も変わってきたな」
「もう!信じらんない!」
真っ赤になってる熊谷を見下ろしながら笑うと、滑り込ませていた左手を抜き、その場に落としていた引き出物の紙袋を手に取って中へと入った。
「高峰さんって、わけわかんない」
まだ少し顔を赤くしつつ、首を手で押さえてブツブツ抗議する熊谷も、俺に続いて部屋へと入った。
テーブル脇にお互いの紙袋を置き、上着を脱いでネクタイを緩める。
「熊谷も脱げば?お兄さんが手伝ってあげようか?」
「・・・脱がせたいだけでしょ」
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