橘  典子

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「久しぶり。相変わらず時間10分前には到着!だね」 そう言って笑う好美も相変わらずの早さ。 私も久しぶりと挨拶して席をつく。その後すぐに絵里と真奈美がやってきた。 これで今日のメンバーが揃った。 すぐに店員に声をかけて食事をスタートさせた。 というのも、この居酒屋は2時間以内注文し放題のバイキング形式。 飲み放題にもしてるし、それぞれ決められたメニューから好き勝手に注文する。 高校からの付き合いだし気心は知れてるから、遠慮なんか無かった。 それぞれ仲も良いので個別で会っているけれど、4人揃っては久々だ。 お互いの近況報告をしながら箸を進めた。 皆独身。話題は自然と仕事や恋愛の事が中心になる。 「好美は来年の春だよね、挙式。仕事辞めて専業主婦?」 「ううん、暫くは働く予定。そんな余裕無いし」 好美は来春同僚との結婚が決まっている。 会社の給料が低いからな・・・とぼやいているけど、とても幸せそうだ。 「そういえば典子は?格好いい彼氏いたよね?そろそろ?」 “格好いい”に絵里が反応する。 「え?典子の彼氏って格好いいんだ?真奈美見た事あるの?」 「チラッとね。背が高くて短髪で、何か清潔感があったな」 真奈美の評価に絵里も好美も“へー”と興味有り気に反応する。 そんな皆の様子を見て、私は手の平を横に振りながら否定した。 「普通よ普通。背が高くて目つき悪いから、会社で怖がられてたし」 私がそう言って否定すると、絵里が何か思い出したという顔つきでこちらを見た。
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