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「そうよ、格好いいと言えば!典子の会社の人が修理にきたんだよ、うちの店に。格好いいっていうより可愛い系の男。なんだっけ・・・名前忘れたな」
絵里の勤務先は飲食店だ。
絵里の店のエリアをまわってるのは平田課長の班。可愛い系の男で平田課長の班と言えば、1人しか思い浮かばない。
「高見だね、多分」
「あ、そんな名前だった!彼フリー?結構好みだったんだけど」
「どうだろ?高見とそんな話しないし。紹介してとか言わないでよ?・・・というか絵里彼氏いたでしょ?どうしたの?」
確か同じ店の後輩と付き合ってたんじゃなかったっけ。
絵里は結構すぐ男が変わるので、いまいち覚えてない。
「別れた。勤め始めたばっかでいつも奢るのは私だし、時間とかにもルーズだったりするし・・・何か色々嫌になっちゃって」
そう呟きながらチューハイをゴクゴク飲み干している。絵里は年下好きだ。別れたという彼氏もそうだし。
確かに高見みたいなのは絵里にはストライクだと思うけど、正直言って年下男の何がいいのか私にはわからない。
絵里みたいに言いたい事をポンポン言うような子は、年上の方が合いそうな気がするけどな。
「ああ、例のバイト君か。昇格して社員になったとかいう。そんな安定しない年下男捕まえる絵里が悪いわよ、結婚とかする気ないの?」
真奈美は絵里を心配するように言ってるけれど、当の絵里はだらしなくテーブルにうつ伏せるような格好で聞いてる。
「そんなの考えられないよ。付き合いたい人と付き合うしさ。恋愛の延長に結婚があるんだと私は思うわけ。だからその時考える」
行き当たりばったり?と突っ込みたくなった。
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