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「例の高見君?月曜に部品持ってもう1回来るとか言ってたな。その時迫ってみよ」
そう呟く絵里に呆れるような、関心するような妙な気分を抱いた。しかし月曜?頭の中で月曜のスケジュールが浮かび上がった。
「高見は研修だったような。多分代わりが行くと思うよ」
「え―――!!!ショック!」
絵里はそう言って項垂れてる。そんなに好みだったの?あの高見が。
何も考えて無さそうなヘラヘラした男にしか見えないんだけど。
「仕事で行くだけだし仕方ないじゃない」
「そうなんだけどさ、出会いが今無いんだもん。うちの店バイト君ばっかだしさ。典子と一緒の会社の人ならいいなと思ったんだけどなー」
「でも高見そんないいと思えないんだけど。多分フォローは桐生君かな。高見より仕事出来るから良かったじゃない」
「そんなのどうでもいーし」
むくれる絵里に思わず笑う。
そんな私達のやり取りを眺めながら、私の横で真奈美が深くため息をついた。
「いいな絵里は。私も絵里みたいにすぐに次!ってなれれば良いのに」
そう言いながらカクテルを飲み干す真奈美を見て、ようやく気が付いた。
真奈美、服でわかり難いけど痩せた?
太ってるわけじゃないけど、健康的な体系だったのに。
「真奈美、まだ例の上司と付き合ってるの?なんか痩せた気がするけど」
好美も真奈美の様子に気付いたようだった。
真奈美は長い事会社の上司と不倫関係を続けていた。
私も心配で結構忠告したんだけど、こればかりは本人が決める事だからどうにもならない。
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