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――あれ。 歩いていく途中、 電柱の側に田辺らしき 大きな背中がちらりと見えた。 さっき自転車を停めた辺りだ。 そういえば田辺、 バイトがあるから 早目に帰るって言ってたな……。 ――あれっ。もしかして私……。 私はポケットを探った。 冷たい感触に触れ、 引き出してみると、 ――それは田辺の 自転車のカギだった。
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