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***** 自転車置き場の入り口で 待っていると、田辺が 自転車を転がしながら出てきた。 「お待たせ」 田辺の自転車を 真ん中に挟んで、 並んで校門の方に歩き始める。 これって……。 ちら、と田辺の横顔を見る。 これってもしや、――黄金の、 二人乗りパターン、じゃない? 私は、早く打ち始める心臓を 必死で抑えようとした。 田辺の大きな背中に手を回し、 抱きつくところを想像する。 ……やばいって……。 そんなことしたら絶対、 心臓の音、背中に 伝わっちゃうもん……。
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