-2-

13/17
138人が本棚に入れています
本棚に追加
/35ページ
「あの……ごめ……っ」 「こっちこそ、わりぃ」 目を伏せ、 くるりと背中を向ける。 そのままロッカーに向かい、 荷物を片付け始めた背中に、 ――声をかけたいのに、 かける言葉が見つからない。 しほりの言葉が、 私の足を、口を、 がんじがらめに縛りつけていた。 『田辺くんが自分を 諦めることは無いって…… どこかで期待してるんじゃないの?』 本当に、私はずるい。 しほりの言う通り。 今、私がしてあげなきゃ いけないのは……。 ちゃんと、田辺を 自由にしてあげることだ。
/35ページ

最初のコメントを投稿しよう!