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――私、……
なんてひどいこと……。
打ちひしがれ、その場に
立ち尽くしていると、
「最低」
しほりがそう言って、
暗幕の陰から
飛び出して行ってしまった。
――えっ……。
「ちょっと、……待って……」
遠のいていく足音を聞きながら、
私は金縛りにあったように
動けなかった。
――こんな、真っ暗で
狭い空間に一人にされたら……。
足元からぞわぞわと
鳥肌が這い上がり始めた。
お兄ちゃんとはぐれた、
あのお化け屋敷での恐怖が蘇えり、
全身に広がって行く。
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