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「…待って…」 暗がりに取り残された私は、 一瞬にしてパニックに陥った。 汗が噴き出し、体温を奪う。 足が、動かない。 「だ、だれか」 周りの暗黒が、自分に 向かってのしかかってくる。 「だれか……っ」 声も出ない。 全身の震えが止まらない。 「誰か、助け……っ」 その時、暗闇の向こう側から 話し声が聞こえてきた。 ――近くに、誰かがいる。
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