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「――彩加ちゃん」
突然の声に、
私たちは慌てて体を離した。
見ると、教室の入り口に
佐伯しほりが立っている。
「ごめんね、タイミング悪くて。
さっき見たら、相良先輩が
カエデの木の下で
寂しそうに立ってたから……。
彩加ちゃん、告白の返事
どうしたのかなって思って。
余計な事だったかな」
私の頭に、先輩がたった一人で
立ち尽くしている画が浮かんだ。
『明日もそのくらい
いい返事、してね。
改めて告白するから』
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