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「中一の頃から5年間。
ずっと、ずっと……
大好きだったんです」
「……」
相良先輩は戸惑いながら
そっと手を伸ばし、
私の頬を伝う涙を拭った。
「先輩に似合う
女の子になろうって、
雑誌を読みまっくて、
恋の勉強したり。
先輩と一緒に登校出来るよう、
時間調整したり。
ほんと、私のこの5年間は、
先輩が全てでした」
私の手を握る先輩の手に、
力が入る。
「彩加ちゃん……」
先輩は、さみしそうに言った。
「それはすごく、嬉しい。
……けど、どうして…。
どうしてそんなに
悲しそうに、泣くの」
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