冷たいサンタクロース

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「これ……」 サインを終えた伝票を手渡そうと差し出すと、 ハヤトは伝票を受け取りながらわざと私の手に指先を重ねてきた。 「っ……」 カアッと赤くなった私に、ハヤトは内緒話をするみたいに声を潜めて囁く。 (……ちょっとだけ、充電させて……) 久し振りに触れたハヤトの指は、この前と同じように冷たいのに、 触れられた私の指は、じんじんと熱くなっていく。 数秒間経って、ハヤトの手が私から離された。 (またね、ユキナさん。) 小さく囁いてからハヤトは、 「それじゃ、失礼します。」 仕事用の笑顔を浮かべて、オフィスを出て行ってしまった。
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