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「あ……」
まるで一人ぼっちで取り残されたような気持ちになり、
私は両手で自分の体をぎゅっと抱き締めた。
手にはまだ、ハヤトの冷えた指先の感触が残っている。
――足りない。
こんなんじゃ、全然充電なんて出来てないよ。
……ハヤト…っ……。
「……ユキナ?」
カウンター前に立ち尽くす私を、心配そうに直美が覗き込んでくる。
「どうしたの?気分でも悪い?」
「……直美、この荷物お願い……」
「え……ちょっとユキナ?」
「ごめん。全部あとで話すから。」
直美の声を背中に聞きながら、私は急いでオフィスを飛び出した。
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