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……どういうこと?
イブの日は、仕事のはずじゃなかったの?
仕事が終わってから、誰かと会う約束してるってこと?
ハヤトのばか。
――私には、何の約束もくれないくせに……。
涙が溢れてきて、慌てて指で涙を拭う。
元々、期待しちゃいけなかったんだ。
……私だけが特別になろう、なんて……。
たぶんハヤトには、私以外にも親しくしている女の子なんて、たくさんいるのだろう。
私は――、
その中の1人に過ぎないんだ……。
荷物用エレベーターに向かうハヤトがこちらを振り向きそうになり、慌てて柱の陰に隠れる。
泣き顔を見られたくなくて、私は逃げるようにその場から走り去った。
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