プロローグ

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誕生日には、お人形セットをくれたり、お母さんはケーキを作ってくれたり。 よくわからなかったけど、これが『家族』ってものなんだなぁ…。って、疑わなかったんだ。 でも、普通の家族とは、少し違っていたのだど、思う。 保育所に迎えにくるのは、いつもお父さん。 お母さんは、昼位から夜中まで、仕事だった。 あいてぃー?関係の仕事が、忙しいんだって言ってた。 お父さんは、夜、7時過ぎ位から、仕事の支度をして、出掛けていた。 そんな私の晩御飯は、良くてコンビニ弁当。 悪くて、スナック菓子だった。 保育所の、給食が楽しみだから、別に何も考えずにいた。 そう、疑う事なんて、知らなかったんだ。 「あら、本当に若くて素敵な、お父さんで、うらやましわ♪」 なんて、数え切れない程、周りのお母さんや、先生に言われたのは、誇らしく思っていたものだ。 そして、私も、小学生になった。
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