逃げられない

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「いやー!!」 2人は私の腕や、足をナイフで傷付け、そこに紙を当てる 紙は私の血を吸い、赤い薔薇を作る 「‥ひっ‥うう‥痛いよ‥痛いよ‥」 浅く、深く切りつけられた傷は夢とは思えない程に痛く、体を丸め泣きながら痛さに耐える 眼鏡の男性は"2"の紙にも薔薇にナイフを刺し、喉に突き刺す 「ぐがっ!っ!‥っ!」 血の次は痛みが戻ってきたらしく、眼鏡の男性はのた打ちまわり、体を痙攣させながら喉を笛のようにヒューヒュー鳴らす それを見ていた女性はナイフを落とし 「嫌よ!こんなの嫌!苦しんでるじゃない!こんなの出来ない!」 首を振り泣き喚く 「‥っ‥」 眼鏡の男性は苦しくても死ねない辛さに、茶髪の男性の足にしがみつき、自分の心臓を叩く 「お、俺がやるのかよ‥」 茶髪の男性は"3"の紙を取り、私に視線を送る 私は短髪の男性に視線を送ると、短髪の男性は無言で私に近寄り、しゃがみ込むと私の頭を撫でる 「大丈夫‥紙、に‥血‥付けて‥」 途切れ途切れに告げると、短髪の男性は立ち上がり茶髪の男性から受け取った"3"の紙に私の血を付け、茶髪の男性に手渡す。 「マジかよ‥」 茶髪の男性は溜め息混じりに呟き、眼鏡の男性を仰向けにして、左胸の上に薔薇の絵を置く。 「怨まないでくれよ‥なっ!」 ナイフを振り上げ、勢い良く突き刺した 眼鏡の男性は動かなくなり、喉で鳴っていた笛のような音も止まった 死んだのだ。 ――――グワーン‥ワー―ン‥ 静かになった部屋の中で、突如不快な耳鳴りがし始めた 眼鏡の男性はサラサラと砂になり、その砂は風も無いのに吹かれるように壁へ吸い込まれていく 男性に残ったのは、洋服と眼鏡だけ。 「あ、あの人‥現実に戻ったのかしら‥」 あんな思いをしないと戻れないのか‥ みんな絶望的な表情を浮かべる
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