エピローグ

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教室を出て行こうとした先生の足音が、 ぴたりと止まる。 「そうだ。今日の下校放送、 田辺の担当だっただろ」 「はい、そうですけど」 「椎名が代わりにやるっていうから、 今日は免除ね。帰っていいよ」 「まじすか。……よっしゃっ」 「せっかく時間空いたんだから、 ちゃんと勉強すること。いい?」 「はいっ、分かりましたっ」 ……この適当な返事。 絶対に勉強なんかしないだろうな。 私があきれ顔で田辺の顔を見ていると、 「奈良崎も。 小悪魔キュートな仕草の前に、 教科書を開いて勉強すること。 いいね?」 春山先生がにっこり笑って言った。
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