エピローグ

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私が一人でニヤニヤしていると、 「お前、いつも 夕メシってキーワードで ニヤニヤすんのやめろよ」 「ちっがうよお。 やめてよ、まるで 意地汚い子みたいに」 「わかったわかった。 で?まずは何して遊ぶ?」 「えっとー、…… バッティングセンターで ホームラン獲り!」 「言うと思った。 おーしっ、俺も 今日こそ獲るぞっ」 「ああ、田辺はさあ、 飛距離は出るんだけど 打球の運びがちょっとねっ」 「……お前、 いったい誰なんだよ」 「だって私、 2本も獲ってるもーん」 「確かに。……お前、 バッティングの才能だけは すごいのな」 「でしょっ。 ……私の場合、小手先の バッティングフォームとは 違うんだよね。 引き手をちゃんと生かしてるから、 トップの位置から ミートポイントまでの誘導が 完璧なわけよ」 「だからほんと誰なんだよお前」 校門を出たところで、 田辺が足を止めた。
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