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私は、走った事で
極限まで上がった
心拍数を下げるため、
しばらくドアの外で
呼吸を整えた。
……あれ。
息は治まったけど、
心臓の音は全然、治まらない。
もしかして……。
このドキドキは、
走ってきたからじゃない……
のかな。
私はとりあえず、
もう一度教室を覗き込んでみた。
広い背中は、じっと動かない。
しばらく見つめていると、
さらに私の鼓動が速くなった。
自分の胸に両手を当てて、
心臓の音を押さえようと
深呼吸を繰り返す。
こんな調子じゃ、……来週から
あいつの隣の席で、
いったいどうやって
過ごせばいいのか……。
ため息をついてから顔を上げると、
目の前に田辺が立っていた。
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