第1話

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「うっわーっ。また、ババだあ!」 「俺、あーがっり! はい、保の負け~。」 放課後。 俺、三上保(みかみ たもつ)の席周辺で、斎藤滋(さいとう しげる)と池田誠治(いけだ せいじ)と小野田敦士(おのだ あつし)の4人は、仲良くババ抜きをしていた。 あ、ちなみに高校2年生。 滋と誠治は、幼なじみらしい。 ほんで、俺と敦士と高校で出逢ってダチになった。 「負けてばっか~………。」 「一番負けたやつの罰ゲーム。 覚えてるよな?保。」 ニヤニヤして嬉しそうだな!敦士!! そう、罰ゲーム。 好きな人に告る。 と何ともベタな罰ゲーム。 全く、誰が決めたんだ!! 「それで?誰に告るんだ?たもっちゃんは。」 お前も嬉しそうだな!誠治!! 何だよ、たもっちゃんって!! 「ねー、待ってよ。祥吾~。」 その時聞こえた、鼻にかかった甘ったるい声。 その声に導かれて廊下の方を見た俺の視界に、あいつが入ってきた。
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