第1話

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「来栖!!」 廊下に出るやいなや、目的の人物の名を呼ぶ。 ぴた、と、足を止めて、来栖はゆっくりと振り向いた。 茶色い瞳が俺を捕らえてるのを感じて、ゾクリとする。 ……………初めて、来栖と目があった。 「あの!!俺、三上……」 「知ってる。5組の、三上保、でしょ?」 自己紹介しようとした俺の言葉に被せるように、来栖が俺の名前を言った。 え、俺のこと知ってたんだ? マジで?どうしよう!嬉しすぎる!!  「俺!来栖が好きなんだ!! 付き合って下さい!」 「………………。」 あ、時間止まってる。 来栖の彼女、ポカンとしてる。 来栖は………………、あれ表情変わってない。 「えっと…………。」 「仮に。」 え? 「仮に俺と三上が付き合うとして。 どっちが突っ込む方なの?」 どっちが、突っ込む…………?
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