揺れる女心

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少しぬるくなり始めたお茶を口に含んだ。 そんな私しかいない静寂の中、エレベーターの到着を知らせる音とともに足音がして、足音の主のものであろう携帯の着信音が響き渡った。 「はい」 この声は荒木課長だ。 出張から帰ってきたのだろう。 見つからないようにパーテーションの裏で首をすくめる。 絶賛サボり中の私。 「いえ、その件は……」 どこか困っているような声を聞くのは珍しい。 .
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