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「翔ちゃんてさ~本当に子供が好きだよね。子煩悩だし保育士にもなれそう」
唯はキャベツを切る手を止め、三人の子供達と走り回る翔太を眺めて言った。
「精神年齢が子供達と一緒だからじゃない?」
私は軽く鼻で笑った後、翔太の横顔を見つめ柔らかな笑みを溢した。
私と翔太の娘、千咲 (ちさき)
唯と直人の娘、凛 (りん)ちゃん。
慎ちゃんとみわさんの娘、乃愛 (のあ)ちゃん。
今日は3家族でバーベキューをするため、香嵐渓の川沿いにやって来た。
唯やみわさん達とは、時々こうして家族ぐるみで集まっている。
「そう言えば、唯のとこにも飲み会のハガキ来たんでしょ?出欠席の返事はもう出した?」
私は茄子を切りながら話題を切り替える。
「飲み会?…なんの?」
「なんの?って、またまたぁ~、しらばっくれしちゃって、唯ちゃんたらぁ~」
私はニヤニヤしながら、澄まし顔を見せる唯の頬を人差し指でツンツンと突っついた。
「別に、しらばっくれてないけど。…前の病院からのハガキの事ね。私は行かないよ」
唯は私の指を払い除け答えた。
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