甘いkiss…苦いkiss エピローグ

6/15

661人が本棚に入れています
本棚に追加
/17ページ
でも… 結局残ったものは、恐怖心にも似た複雑な感情。 それは、決して彼を憎んでいるからじゃない。 ただ、心が乱れるのが怖かった。 あの頃の彼との思い出を、汚したくなかった… 彼への想いを封印し続けたかったのだ…。 「和馬、大学辞めて親の病院継いだんだってね。あの和馬が院長だからなぁ~不思議な感覚。惜しくも、院長婦人になり損ねた。…あっ、私、候補にも入れて貰えなかったんだったわ」 切った野菜をトレーにポンポンと投げ入れ、苦笑いを溢す。 「それは、私も同じでしょ?私もドクターの妻になり損ねた」 唯は冗談めかして笑うと、ベンチから立ち上がり腰を屈める。 「ねぇ、唯は別に会っても大丈夫じゃないの?水島先生と誓った【お互いの幸せを願う、見守る愛】それを改めて誓うための再会にするとか」 私は、クーラーボックスを探る唯を見下ろしニヤリと笑う。
/17ページ

最初のコメントを投稿しよう!

661人が本棚に入れています
本棚に追加