甘いkiss…苦いkiss エピローグ

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「綾子さぁ、なんでそんなに私達を会わせたがるの?」 「え?だってさ~、水島先生も唯に会いたいかと思って。娘の名前が同じ『凛』なんて、意味深過ぎて面白いじゃん!先生、娘の成長見ながら唯を思い出してたりして~」 私は口を押さえてククッと冷やかしの笑いをして見せた。 「綾子…不謹慎だよ。それは禁句でしょ…」 唯は呆れ顔でため息を溢す。 「…私、ずっと聞こうと思って聞けなかったんだけど、綾子はどうしてあの時、私を水島先生のもとに行かせようとしたの?…自分と同じ過ちを犯した私なのに」 そう言葉を連ね、ボックスから出した烏龍茶を手渡した。 私は受け取ったペットボトルをテーブルに置き、冷えた水滴をタオルで拭く。 「…唯と水島先生なら、違う未来を見せてくれるかも知れないって思ったから…かな?」 視線をペットボトルに落としたままポツリと呟いた。 「違う未来?」 「そう…私が欲しくても手に入らなかった未来。私は、唯と自分を重ね合わせて見てたんだと思う」 「……」 「結局、唯に自分の夢を押し付けたのかもね」 大きなため息の後、親友に苦し紛れの笑みを見せた。
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