見えない敵

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そのまま行こうとすると 「おい!姉ちゃん!ぶつかりましたよ~」 面倒に巻き込まれたくない生田は振り返って頭を下げた。 「すいません。」 「あ~いんだよぉ。素直に謝れば~。 ん~? あんた、早苗ちゃんでしょ~? 早苗の部屋の~」 生田は自分の名前を知っている事に驚いた。 「どうして名前を? あなたなんて知らないわ。」 「何を今更~。名前だけじゃね~よぉ。 あんたの色々知ってるよ~あんた、股の内側にホクロあるでしょ。 そそるよね~」 生田は吐き気がした。 …どうして知っている? 背を向けて走り出すと酔っ払いの声がした。 「また覗かせてね~」 …あんなゲス野郎が何で知ってるのよ。
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