彼女の想い

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だって心底驚いてしまったんだもの。 ……だったら雨の日にもう1度、 “来てみたい” と思うのが普通だわ! でも今の私に……そんなことを言える権利なんかどこにもない。 そして、カマイルカはショーの時にしか目にすることは出来ないけど、シロイルカなら水槽で、いつでも見ることができる。 「シロイルカは、海のカナリヤって呼ばれる程に美しい声の持ち主らしいですよ! それに人の動作に反応したりするんです!」 と言った彼が、シロイルカ向かって手を振っている。 ……イルカに手を振って、意味があるの? そう思っていたら驚いたことに、シロイルカが目の前にやって来て、私達に向かってお辞儀をした。 ……か、可愛い! 「可愛いですね?」 「ええ! とっても可愛いわ!!」 何かテンションが上がってきた。 「でも刹那、イルカのこと詳しいのね?」 さっきから、感心するほどにイルカに詳しい彼。 そう思ってたら満面の笑みを浮かべて、「これですよ!」と看板を指差す彼。
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