悪夢、再来

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思わず振り返ると、至近距離まで来ていたその人。 「……っ?」 「あんま似てねぇーのな、アイツと」 私はその言葉に目を丸くした。 「な、何なんですか?」 1歩だけ後退りして、私はその人を睨み返した。 赤い派手な髪の色。 かなりのピアスの数。 細い眉。 狼みたいに立てているヘアー。 ……“恐怖”。 直感的に、そう判断した。 「まぁいいや。お姉さん、ちょっと顔貸してくんね?」 「……っ?」 「まさか、嫌とは言わないよな? 桐原刹那と白石理紗について、重要な秘密を教えてやるんだし?」 その人は口角を少し上げて笑うと、私に向かって、フッ―と息を吹きかけてきた。 ……刹那と理紗について? “重要な秘密” って、どういうことなの?
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