152人が本棚に入れています
本棚に追加
思わず振り返ると、至近距離まで来ていたその人。
「……っ?」
「あんま似てねぇーのな、アイツと」
私はその言葉に目を丸くした。
「な、何なんですか?」
1歩だけ後退りして、私はその人を睨み返した。
赤い派手な髪の色。
かなりのピアスの数。
細い眉。
狼みたいに立てているヘアー。
……“恐怖”。
直感的に、そう判断した。
「まぁいいや。お姉さん、ちょっと顔貸してくんね?」
「……っ?」
「まさか、嫌とは言わないよな? 桐原刹那と白石理紗について、重要な秘密を教えてやるんだし?」
その人は口角を少し上げて笑うと、私に向かって、フッ―と息を吹きかけてきた。
……刹那と理紗について?
“重要な秘密” って、どういうことなの?
最初のコメントを投稿しよう!