護れる尊(みこと)の独り言

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私は、この町を救わねばならない。 だが、いくら甘い露(つゆ)で満たしても人の心は満たしきれることは無い。 無限とされる、人間の可能性…ゆえに求めることにも際限というものが無いのだ。 人は己を満たすために戦い続け…結果、勝ち取る者と敗れる者がいる。 敗れた者は勝利を求め、さらに弱き者に刃を突き立てる。 哀れなる私の町の防人(さきもり)。 彼女たちは無限の権力を持ちながら、人間であるがゆえ決して満たされはしなかった。 防人として生まれたばっかりに…家を絶やす事を許されない。 人を愛する事が出来ない…普通の人間に陰陽師の敷居をまたぐ事は出来ない。 陰陽師は闇から人を守る一族…その秘密と存在を守るために。 本当に下らない理由だった…どんな最悪の人間でも、陰陽師は陰陽師と契りを交わさなくてはならない。 今世は無能な豚と契りを交わすらしい…それが能力者の一族の宿命なのだ。 彼女たちはあらゆる汚れ仕事に手をつけた…自分たちの痕跡を消すために、死した人間の生を辱めたこともある。 彼らに光は無い…満たされる事が出来ない。 これでは幸せになれない…満たされることは無い。 彼女たちと私は、この町を背負っている。 だから、私は…!
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