新しい仲間

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ゲームセンターは、まだまだプレイヤーが溢れていた。 金曜日の夜中の10時だなんてむしろこれからなのかもしれない。 ホフヌングプレイヤーのバトルの熱気が目に眩しい。 「ちょっと早かったかな?」 24時間営業ではなかったが…閉店後ではカギがかけられる。 だから、早めに来てカギをかける時に隠れる必要があるわけだが。 「じゃあ、一戦やろうか。 それよりも、見た目犬の護衛はどうするんだよ。 仮にもゲームセンターだろ?」 信久も結構元気である。 「意識には残らないようにしますので。」 大規模な幻覚見せてどうする。 いや、こいつのことだから敵にも作用しているのかもしれないが。 劣化コピーでも侮れない。 「ご都合主義なのな…。」 怨霊コピーのこいつの前では物理法則すら、全く通用していなかった。 仕方ないので、何戦かこなした後…閉店を待つ。 「あれ、あいつ…いなばしろだよ?」 奈美のことは有名過ぎた。 「やっぱり、朱夏に気にいられているやつでしょ? 生意気だよね。」 「てか、ニギリの兎素だろ。 あいつ、いろいろ目立っているからな。」 今のところは目立った覚えはないのだが…いや、かなり目立っているか。 ゲーム中だろうが、客の嫌味が耳に入ってくる。 「負けん気が強いから、子供の頃から孤立してたって。 協調性ないのかね?」 ヤジばかりか、お前らは。 ゲーム中だから気が散る。 しかし、無視を決め込みながらゲームは続いた。 だが、勝てないのはそのせいじゃなかったが。
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