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「見張り、食われたくなければ付き合え。」
朱夏が見張り君にあろうことか共闘を持ちかける。
「言っていることが支離滅裂だ…お前が倒すつもりだったろうが!」
確かにそうだから、知恵を貸せということだ…確実に倒すために。
朱夏も少しずつ変化している…単なる戦闘狂が、生き残る意志に変化してきているのだ。
何がそうさせたのか…それは両親のこと…風音のこと…奈美や聡輔とのことすべてだ。
「こいつ、殴れそうにないんでな。」
水の身体が、二人にまとわりつく。
「だったら内側から燃やすか凍らせれば良いだろ!」
朱夏は物理攻撃特化の能力者だ…特殊能力はあまり得意ではないのだが。
ちなみに見張り君は魔力を抑えるように知識特化であり、戦えない。
彼の意義は見張りだけだし。
『ヲヲヲヲヲヲヲヲヲヲヲヲヲヲヲヲヲヲヲヲヲ!』
怨念が暴れ、別のホフヌングの機体をぶち抜いた。
ホフヌングの機体ごとに水の精霊が宿った部品が使われており…そのすべてがプレイヤーの影響で怨念を宿している。
つまり、仲間を解放して融合しようとしているのだ。
これも、確実に倒すために。
「…うわっ、増えた!」
さらに状況が悪化する。
「確か、ホフヌングの機体は8体か10体か…。」
ゴバァッ!
別の水の怨念が部品から解放される。
怨念は隣の怨念と融合していった。
見張り君を足止めするため、部品を壊して出してやったのに恩知らずだ。
「覚醒の衝撃で吹き飛ばせ!」
しかし、そんなことも言ってられない…早く倒さねば騒ぎになる。
見張り君のアドバイスにより朱夏は神のチカラで怨念を吹き払う。
もともと耐久力は低いのだ…各個撃破なら朱夏の敵ではない。
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