入学の日

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 ただ、それはあまりにも都合の良すぎる話だ。どうすれば、自分の母を殺した男を、そして、その娘を許せるというのか。  「もう一四年も前の話だから」などというのは図々しすぎる。  「わたしもつらい思いをしたから」などどうでもいい話だ。  全てははっきりしている。  和人は母を殺された少年。  和美の父は和人の母を殺した男。
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