一四年前

7/10
前へ
/185ページ
次へ
 CMでも、ドラマでも、ファッション誌でも、西園寺和人は輝いている。  そして、輝けば輝くほど、一四年前のあの事件の記憶が世間でよみがえり、影を持った顔をする美少年への同情と犯罪者への憎しみがわき上がる。  和美とは違う形で、和人もまた普通を求めていた。  当たり前の暮らしがしたかった。  当たり前の学園生活をしたかった。
/185ページ

最初のコメントを投稿しよう!

9人が本棚に入れています
本棚に追加