アマネ【その一】

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だが、それで命を狩ることはできない。 頭が一回転しても女は倒れることはなかった。 「もう一度……」 私が霊符に力をこめるよりはやく。 女は地面を蹴った。 私の頭上を越えて後ろに着地した女は自分の頭を掴む。 ごきゃっ、と頭をあるべき方向へと向け、にや、と笑った。 『お嬢。命を確実に狩らないと彼女、“角持ち”になって強くなりますよ?』 「……うるさい」 私は小さく言った。 「見てないで少しは手伝ったら?」 『俺は戦闘能力は低いので。ここはお嬢に頑張ってもらうしかありませんね』 「どこが」 私はぎり、と奥歯を鳴らした。 私より強いくせに。 『それに俺が手伝ったらお嬢の成長を妨げることになりますからねー』 実に楽しげである。 いつもそれだ。 リクヤはそれですます。 「あとで覚えてなさいよ?」 『はいはい』 ホント、腹が立つお目付け役だ。 ☆ 暗闇に紫色の軌条が走る――三本ほど。 目の前に迫った女の爪を避けつつ、私は霊符を解き放つ。
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