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次の日になると私の足はもう、ほとんど痛くなかった。
それでも創は私を甘やかし、何もさせてくれなかった。
「創、私にも何かさせてよ!」
「ダメだ。いいからゆっくりしてろ」
「もう!」
拗ねて膨れた私を見ても、創はクスクスと笑って相手にもなっていない。
片付けや洗濯が終わる頃には、私は退屈でしょうがなくなっていた。
ソファに寝転んで空を見上げていると、逆さ向いた創が視界に入ってきた。
「待たせたな」
退屈すぎて拗ねていた私は、ふいっと横を向いた。
「ちぃ」
甘く優しく名前を呼ばれたが、私は頑なに創を見ようとはしなかった。
「じゃあ、俺1人で出かけるか」
創はそう言うと、クルッと向きを変えてドアのほうへ歩き出した。
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