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こんなことは初めてで
くらくらが止まらない
私は大きく息を吐き出して、窓の外を眺めた。
少し傾いた陽が、部屋に射し込んでいた。
キッチンからカチャカチャと物音がして、私は慌ててケーキにフォークを突き刺した。
残りのケーキをすべて、急いで口に放り込む。
ケーキを見たらまたフラッシュバックしてしまいそうで、しばらくの間お預けだなと小さく息をついた。
「おまたせ」
新しく淹れたコーヒーを持って創が戻ってきた。
私は意識しないように自分に言い聞かせ、カップに手を伸ばした。
「熱いから、気をつけろよ」
創がそっとカップを私に手渡し、隣に座った。
私はカップを両手で包み込み、ふーっと息を吹きかけた。
コーヒーのいい香りが鼻孔をくすぐり、私をリラックスさせた。
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