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暖かい
心地いい
安心する
ちゅっ
額に何か触れた気配に、私は瞼を少し開けた。
熱のせいか、薬のせいか、頭がぼんやりする。
目の前に、いないはずの人を見つけて私は首を傾げた。
夢……?
手を伸ばそうとして、その手が暖かい温もりに包まれていることに気づく。
握り返そうとしたが力が入らず、ピクリと指が震えた。
「ちぃ」
大好きな低くて深い声が私を呼ぶ。
「創…」
小さな掠れた声しか出なかったが、創は嬉しそうに笑った。
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